マレーシア汚職摘発委員会法の改正対策~ガイドライン作成サポート~

本記事は、在マレーシア日系企業向け、汚職摘発委員会法の改正対策のガイドライン作成サポートのご案内です。
目次
汚職摘発委員会法の改正と企業が取るべき対策

皆様がご承知おきの通り、汚職(不正)を防止するための2009年マレーシア汚職摘発委員会法 (Malaysian Anti-corruption Commission Act 2009)が改正され、罰則規定17A条が2020年6月より施行されました。
この改正に伴い、汚職(不正)が摘発された場合、会社と会社の幹部個人全員に、厳格な罰則規定が適用されます。マレーシアでは私人間の汚職・即ち不正も罰則の対象ですので要注意です。
但し、政府がガイドラインを公表している Adequate Procedures が社内で適切に実施されていれば、罰則は回避出来ます。
本ガイドライン(Guidelines on Adequate Procedures) は具体的には以下の5つの原則を満たす必要があります。
- Top level commitment(経営陣の決意と関与)
- Risk assessment(リスク評価の実施)
- Undertake control measures (管理施策・措置の実施)
- Systematic review, monitoring and enforcement(組織的な見直し、モニタリング及び執行)
- Training and communication(トレーニングとコミュニケーション)
例えば、管理施策・措置の実施では、組織の内部統制の脆弱さを起因とする汚職や不正に対処するために、組織の規模や性質に適した対策を導入する必要があります。具体的には、内部通報制度、ポリシー及び手続きの策定などの社内での構築です。
また、内部及び外部のトレーニングとコミュニケーションを導入することで、ポリシー、トレーニング、内部通報制度、違反への懲戒などを社内に普及させる必要があります。
ガイドライン(Guidelines on Adequate Procedures) については以下記事にも詳細を記載しています。
ガイドラインAdequate Procedures を遵守できない場合

今回の改正の最も重要なポイントは罰則規定が格段と厳格化されたことです。
罰則規定である17A条が2020年6月より施行されたことで、有罪の場合は、
汚職が摘発された場合会社と会社の幹部個人全員に汚職額の10倍もしくは1 Million RMの高額の方の罰金、更には20年以下の懲役刑が付加 ( マレーシアでは私人間の汚職行為も罰則の対象となる点が要注意)
という厳しい処罰が科せられることになります。
罰則は日系企業の管理職にも該当される?

本罰則規定は、会社と会社の幹部個人全員に適用されます。Directorに就任している日系企業の駐在員及び本社関係者も罰則の対象となりますので、十分注意する必要があります。
また、内部不正を放置しておきますと、ロスの発生のみならず社内外にモラルダウンが生じ大きな経営上及び経営陣自身の個人的リスクとなります。
罰則が適応された事例
2020年6月の改正マレーシア 汚職防止委員会法 (MACC)法の施行を受けて、実行犯だけでなく会社及びその取締役が起訴される初めてのケースとして、オフショアサービスを手掛けるプリスティン・オフショアが3月18日、事業受注のために行なった贈賄の罪で起訴されました。
ガイドラインに則った社内の仕組みづくりをサポート

Guidelines on Adequate Proceduresを遵守するために、弊社では専門家へのコンサルティングを推奨しております。
マレーシアの日系企業現法への経営改善アドバイスと経営問題解決のためのソリューションの提供に注力するNRT Ventures Holdings Sdn Bhd社の協力を得て、ガイドラインを守るための社内制度構築をお手伝いする仕組みが出来ました。
同社では、これまで40社に亘る日系企業の内部不正問題の解決のサポート実績があり、経験豊富な当地の弁護士事務所(MohamedRidza & Co(MRCO))と提携し、Adequate Procedureの作成を妥当な費用で行っております。
MRCOの代表者は、当地大手企業の外部取締役にも就任しており、コーポレート案件を得意とし、既にマレーシアのローカル企業と欧米系の多国籍企業の合計7社向けのAdequte Procedures作成の実績があります。
NRT Ventures Holdings Sdn Bhd 高木様のプロフィールはこちらの記事からご覧いただけます。
ADEQUATE PROCEDURES関連のサービス
- Adequate proceduresの作成(弁護士事務所Mohamed Ridza & Coと提携して作成。同事務所は既にマレーシア企業数社向けに作成)
- 各3年毎の包括的リスク評価(外部監査)の実施
- 内部通報制度の外部委託
- 新規取引先(業者、個人)決定時及び幹部社員採用時のDue diligenceの実施
- 汚職防止プログラムのレビュー
- Adequate Proceduresに関するトレーニング
お問合せ
何か依頼事項がございましたら、NRT Ventures高木様までご連絡頂けますようよろしくお願いいたします。
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